1971 Janis Joplin
生きるのが不器用な人はどこにでもいる。
少し大人になって、自分の人生を振り返る頃、
耳に流れ込んできたのが彼女だった。
絞り出すような声、
まるで自分の何もかもをさらけるような声。
彼女の魅力はその年齢でしか、理解できなかったかも知れない。
ジャニス・ジョプリン サマータイム Janis Joplin Summertime
人に恵まれた青春を送る人もいる。
誰にも理解されない人もいる。
「音楽がなかったらきっと私死んじゃってたよ」
68年のインタビューでの発言。
本来のジャニスはステージでの姿とは別人の
ナイーブで臆病で自信のない人だったという。
強く見せている自分、
ゆるぎない自信に溢れたステージでの彼女。
自分自身とオーバーラップして彼女のことを調べる。
Janis Joplin - Try (just a little bit harder)
誰にも看取られず謎の突然死。
ボーカルトラックが完成しないまま発表された曲。
Janis Joplin - Buried Alive In The Blues (HQ) ♯5
片手に4ドル50セントを握りしめたまま、
ベッドとナイトテーブルの間で倒れていた。
ヘロインとアルコールのせいなのか、
検視では「薬物の多量摂取」と記載されていたという。
理解されない自分と周りの人間とのもどかしさ。
亡くなる前に参加した同窓会でも
故郷の居心地の悪さを感じたようだ。
自分も同窓会には参加しない。
ジャニスの声を聴きながら
じっくりと独りを楽しむ夜も悪くない。