とりあえず音楽の話を。

音楽なしではいられない

1990 Peter Gabriel

確か、

初任給でこのCDを買った。

 

子供の頃に買えなかった物を買う。

文句も言われず欲しいものを買うのは

いくつになっても嬉しい。

 

 

シェイキング・ザ・トゥリー グレイテスト・ヒッツ ピーター・ガブリエル

シェイキング・ザ・トゥリー グレイテスト・ヒッツ ピーター・ガブリエル

 

 

 

ピーター・ガブリエル だと思っていたら最近は原音に近いから

ピーター・ゲイブリエル と表記するらしい。

 

 

奇妙奇天烈なステージ衣装のおじさんと知ったのは

このアルバムのライナーノーツの写真から。

 

 

 

 

こういう写真を見るとインテリな人にしか見えない。

割と二枚目ではある。

 

 


Peter Gabriel - Sledgehammer (HD version)

 

 

こういう楽しいPVを作る人なので

やっぱり普通のおじさんではないよなと納得。

 

実はピーターの脱退した後の

ジェネシスの大ヒット曲 InvisibleTouchを

全米ナンバーワンから奪還したのは

ソロになったピーターのこのスレッジハンマーである。

 

 

さて、若かりし頃、

ジェネシスの元メンバーだった彼は

スリムでロン毛の二枚目路線かと思っていたが。

 

 


Genesis (Peter Gabriel) : I Know What I Like (In Your Wardrobe) HQ

 

 

帽子を脱いだら頭頂部まで剃っていたり。

 

 


Genesis (era Peter Gabriel) - Watcher Of The Skies (live 1973)

 

 

コウモリ姿になったり、

 

 


The Many Costumes of Peter Gabriel

 

狐女になったり、

爺さんになったり、

花になったり、

宙づりになったり、

 

それはもう、やりたい放題。

レディガガと対抗できるのは彼くらいか。

 

 

そんな彼をメンバーはどう感じていたのか。

 …だから脱退?

 

フィル コリンズでやっと

バンドとしては落ち着いたのかもしれない。

 

そして近年、

多彩な才能に恵まれたピーターもフィルコリンズも

同じようなヘアスタイルに。

 

人生とは本当に皮肉なものだ。

 

 


Peter Gabriel - Red Rain

 

そんな彼も

ソロになってしばらくして、やっと落ち着いてきたのか。

 

相反してこういう音を作るので

繊細な感性も持ち合わせた人なのだろう。

 

 


Peter Gabriel - Don't Give Up (ft. Kate Bush)

 

 

人生に悲観した人たちに向けた応援歌のような歌詞。

慈しむような声のケイト ブッシュとのデュエットも

メディアに取り上げられていた。

 

このPVはまるで

「昭和枯れすすき」風の崖っぷちの様であるけれど。

 

人生もある程度の時期を越えると

思春期の悲観さとは違う、

悲観さを感じてしまうもの。

こうした歌詞にまた励まされる自分がいる。

 

 

90年代以降、寡作なイメージがあるが

まだまだ頑張ってほしい。

1974 LedZeppelin

彼らの曲は今でも聴かれる曲であるし、

国を問わず、カバー人口も多い。

 

アルバム LedZeppelin Ⅳ 

 

今は販売されてないのだろうか。

初めて買ったツェッペリンである。

 

 

ロック好きなら今でもこの曲をやりたい人は多いはず。

 

 

Rock and Roll

Rock and Roll

 

 

プロレス好きならこの曲を一番に挙げるだろうか。

どの選手かどうかは探してほしい。

あまりに有名なのでここでは伏せておく。

  

 

Immigrant Song

Immigrant Song

 

 

さて、そんな彼らのバイオグラフィー

世界中で書かれているだろうし

音楽好きなら誰でも知ってるし、今更取り上げる必要もないかと。

 

もちろん、リアルタイムな彼らを知っている世代でもない。

 

洋楽と言えば映画音楽くらいしか

レコードのなかった我が家において、

下宿した高校生=お兄さん的存在の人が常にいた。

 

その年、我が家に下宿していたのは、

親戚筋の3つ上のお兄さん。

毎月レコードショップから数枚のレコードを買ってきていた。

 

その中の1枚がフィジカルグラフティだった。

 

 

フィジカル・グラフティ

フィジカル・グラフティ

 

 

1974年発売。

自主レーベルスワンソング初発売のレコード。

 

中の袋を入れ替えるとアパートの窓が入れ替わる仕組み。

昔のレコジャケは凝ったものが多かった。

紙の風合いまで凝ったものもあった。

 

CDとレコードの同時発売の時期からCDオンリーの時代に。

ジャケットの多彩さは無くなり、個性も無くなった。

 

最近こそ特典が付いたりしているが、

切り替え時期はつまらない装丁のCDが多い。

 

フィジカルグラフィティは

これまでのアルバムでお蔵入りした楽曲を集めて構成。

 

酷評された「Ⅲ」や「Ⅳ」の天国への階段の成功。

「聖なる館」の試み。

 

様々なジャンルの音楽を発表してきたおかげか

まとまりの無さとしてではなく

多彩な音楽がツェッペリンらしく聴ける。

 

 


Led zeppelin - Kashmir - Live in the UK 1975

 

 

この頃はロバート プラントの喉が不安定な時期だったと思う。

イントロを聴くと鳥肌を感じた Kashmirは今でもよく聴く。

 

若い頃のプラント。

まだ髪も短くて若干20歳なのに、この歌いっぷりは規格外。

 

ジミーペイジがボーイング奏法で弾くギターは

Kashmirとは違うゾクゾクを味わえる。

 

 

youtu.be

 

 

記憶の中のボーナムは永遠に変わらないが、

ジョーンジー、プラント、ペイジは

いいおじいちゃんになって微笑ましい。

 

また続きを書くかもしれない。

1985 Falco

映画「アマデウス」公開と同時に

話題になって爆発的にヒット。

 

ドイツ語と英語のラップが斬新。

Falco という英語音ではない名前が印象的。

いまだに脳内で「モーツアルト」と聞けばこの歌が流れだす。

 

収録アルバムの正式名は FALCO3

 

 

ロック・ミー・アマデウス(FALCO3)

ロック・ミー・アマデウス(FALCO3)

 

 

  


Falco - Rock Me Amadeus

 

 

 音も映像もこれだけ脳内に擦り込まれるなんて。

このPVの髪の毛ボーンなウィッグが志茂田景樹を思い出す。

 

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Falco - Rock Me Amadeus (Symphonic)

 

 

オーストリアのウィーン生まれにふさわしいステージ。

交響楽団のバックが似合う。

 

この映像、晩年の彼なのではないだろうか。

というのも彼はアルコール依存の治療のために

静養を求め、ドミニカ共和国に移住していた。

 

1989年、41歳の誕生日を13日後に控えた日。

静養先のドミニカの高速道路を運転中、

大型バスが彼の乗ったパジェロに衝突。

そのまま意識が戻らず、帰らぬ人となってしまった。

 

 

スーツ姿が似合う怪しい雰囲気が漂う洗練された男

というイメージそのものだが、

 スターの虚像と実像の部分で

彼もずいぶん波乱の人生を送ったようだ。

 

 


『ROCK ME AMADEUS~ファルコ 運命に翻弄されたスーパースター』DVD予告編

 

Jeanny

 Rock Me Amadeusの前にシングルカットされたバラード。

誘拐や犯罪を思わせる倒錯的な歌詞が物議を醸し、

ラジオで全面放送禁止なんてことも。

 

それでも西ドイツで9週連続でナンバーワンに。

歌詞はともかく、曲の美しさからだろう。

 

 


Falco - Symphonic-JEANNY

 

 

最後に、

往年のスターのそっくりさんを多用して制作された曲。

Verdammt wir leben noch

「まだ生きてるよ」 という意味。

 

マレーネ ディートリッヒ、アインシュタイン博士、

エルビス プレスリー。

ジミー ヘンドリックス、

ジョン ベルーシ(ブルースブラザーズ2人とも?)、

マリリン モンロー、

ハンフリー ボガード(あまり似てないけど)

 

コーラス参加のフレディ マーキュリー。

 

まさか自分も・・・?

 

 

 


Falco - Verdammt wir leben noch

 

 

空前的な大ヒットでミュージックシーンを賑わした後も

安定した人気と音楽活動を行っていた彼。

 

2000年を迎えていたなら、どんな曲を作っていたのだろう。

 

40歳はあまりに早すぎる。

 

1984 ThompsonTwins

ゴーストバスターズが話題になった1984年。

 

ThompsonTwins で初めて聴いた曲は

ゴーストよりも愛らしいおばけデザインの

サントラ盤に収録された In The Name Of Love だった。

 

映画では「え?これ?ここ?」くらいの使われ方だけど。

 

 

やっぱりオープニングソングの

レイ・パーカーJr のラスト辺りの笑い声がいい味出してる。

この映画をここで全て表現しているというか。

 

 

そんなサントラ盤。

 擦り切れそうなくらいの勢いで聴いた。

 

 

ゴースト・バスターズ ― オリジナル・サウンドトラック

ゴースト・バスターズ ― オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

このデザインの缶バッジ持っていたな。

 

 

In the Name of Love

In the Name of Love

  • Thompson Twins
  • サウンドトラック
  • ¥200

 

 

 

 さて、話をThompsonTwinsに戻すと、

 

三人編成(トリオ)になってから 

初めてMTVでビジュアルを知った。

 

ゴーストバスターズのあの曲の?」程度の認識。

 

 

当時のライナーノーツによると、

  1977年シェフィールドで結成。

  1982年 In The Name Of Love のヒット直後に

  7人編成の大所帯から3人になった。とある。

 

 

 

トリオになって足りない楽器の代わりにシンセサイザーを数台入れ

ステージではサポートメンバーを入れていた2作目のアルバム。

 

 

1984年発売。 

Into the Gap

 

この中の「Hold Me Now」は

全米ナンバーワンになった曲だとアラナがステージで紹介していた。

 

Into the Gap

Into the Gap

 

 

 


Thompson Twins - Hold Me Now

 

 

 次もそのアルバムの中の曲。

 

 


Thompson Twins - Sister of Mercy

 

 

グランドピアノを弾くトム。

傍らにはフルートを吹くアラナとジョー

実際に起こった事件を題材にした曲だとトムが話していた。

 

「フルート吹きは唇の形で選ばれる」

という話を、吹奏楽をしている人に聞いたことがあり、

選ばれし者なんだと友人と勝手に盛り上がって感心したものだ。

 

 


Thompson Twins - You Take Me Up

 


そんな トムのボーカルは

特徴がないようで、特徴がある声である。

モノトーンボーカルとか海外でも言われていた。

 

歌唱力で勝負していたバンドではないけど、

実際に歌うのは結構難しい。

 

楽器との組合せで、いい感じに裏返る声というか、

イギリスアクセントのわりに

聴き取りにくい声というか、特徴のある声。

 


Thompson Twins Tom Bailey 2015 Video

  

www.billboard-japan.com

 

 

近年、若手のプロデュースや作曲活動は行っていたが、

自身が目立つような活動はしていなかったトム。

 

2014年、27年ぶりにライブ活動を始め来日。

往年のヒット曲を歌っているが、

声はほとんど変わっていない印象。

 

 

変わったのは

ベジタリアンで細身の青白い顔立ちだったのが

恰幅の良いおじさんスタイルになったところ。

  

とりあえず音楽の話を。 雑感 2016.7.26

当時の音楽を改めて聴いてみると

古い記憶が色々と蘇るものだ。

 

匂いが古い記憶を蘇らせるように。

 

 

 

当時、地方の学生だった自分にも

確実に音楽の波が海の向こうから押し寄せていた。

 

今でも心の奥底にじっといて、現在の自分を形成している

 

 

多感な時期の経験は消えることなく

あらゆるシーンで影響を与えた音楽と人物が必ず繋がっている。

 

その場、その時、

その人は確かに、そこにいた。

 

それでも、

今のネット社会をもってしても

一切繋がりを手繰れない人もいる。

 

だからこそ、こうして音楽を耳にすると、

 

彼ら、彼女らの

声、姿、表情が鮮明に浮かんでくるのだ。

 

 

あの頃の純粋な自分とは、かけ離れてしまった現在の自分。

 

 

もう戻れはしないけれど、

 

「あの時の自分」に戻る瞬間を

もうしばらく、書いていきたいと思う。

 

1985 Heart

ロックに傾倒し、

激しい音楽を聴くまでは早かった。

 

 

日頃の鬱憤を晴らすには

こうした音楽が自分に必要だったのだろう。

 

 

型からはみ出さない。

 

周りに迷惑もかけない。

 

心配もかけない。

 

 

優等生ではないが、

自分のポジションは維持するタイプだった。

 

彼女たちからすれば「女だから」なんて遠慮はいらないのだ。

 

 


Heart - If Looks Could Kill (Live)

 

 

こういう曲は大音量でかけるのが醍醐味。

 

いい意味で飛ばしてくれるアンのボーカルに痺れる。

 

 

Heart

Heart

 

 

 

堂々と歌い上げるアン。

 

なんて声量と艶のある歌いっぷりなんだろうか。

これだけ歌えたら、さぞかし気持ちいいことだろう。

 

 

そして、一時期脚光を浴びながらも

80年代…商業的にかなり低迷したハートが再び浮上し、

脚光を浴びた1986年3月、全米No.1となった曲。

 

 

 


Heart - These Dreams

 

 

70年代デビュー当時からのファンからは

商業的な音作りと批判されたが、

バンドを支える二人の判断とすれば、何も間違っていないと思う。

 

全面に押し出したシンセサウンド。

シンセドラム。

時代を反映した音作り。

 

MTVで毎週、楽しみにしていた曲でもある。

 

ロディアスで美しい旋律。

美人姉妹ぶりを押し出したMVも話題に。

 

じつはこの曲のボーカルは妹のナンシー。

ハスキーな声質が楽曲に生かされている。

 

また、抑えたアンのコーラスも素晴らしい。

さすが姉妹、見事に調和している。

 

 

 


Heart - These Dreams (Live-HQ)

 

 

円熟味を増したアンとナンシーのライブでの演奏。

アコースティックなアレンジでの演奏が最近はメイン。

 

貫禄がついたアンの変貌ぶりに誰もが驚いたこの頃。

 

 

元々太りやすい体質だったそうで

デビュー時はかなり節制していたそうだ。

 

 

近年、胃のバイパス手術を行い、

昨年4月に64歳で結婚したことも影響したのか、

最近は驚くほどスリムになってきている。

 

 

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 ルーズなおさげ姿も。

幸せそうなので嬉しい。

 

 

さて、

 デビュー当初から、ZEPをリスペクトしている姉妹。

 

 

「ハートは女の子だからね。いいんだよ」

 

 

ロバート プラントが以前、

ハートの自身のカバーについて言及された時に答えた言葉。

 

 

最後に、

数年前、とても話題になった動画を紹介。

 


Heart - Stairway to Heaven (Live at Kennedy Center Honors) [FULL VERSION]

 

特筆すべきは、亡きジョン ボーナムの息子、

ジェイソン ボーナムがドラムを担当。

 

 

もう鳥肌もの。

本家が涙ぐむのも納得。

 

いつまでも変わらず

パワフルな姉さんたちでいてほしいものだ。

1986 Boston

夏休みの間だけの結成。

最後の日にライブ決行。

 

いま思えば

この期間で完成させるなんて無謀だったな。

 

Boston Third Stage

Amanda

 

新たな曲を提案された。

 

 


Boston - Third Stage [Full Album] 1986

 

「このバンド完璧主義者でさ。めったにアルバム出ないんだよ。

8年経ってやっと出たのがこのアルバム!いい曲だろう?」

 

ギターと共に寝起きし、ギターを溺愛する

Jimmy Page 似のギタリストNさんの提案。

 

音楽仲間から、

 

ちょっとしたツインギターくらいなら自分でやっちゃうよ。あの人は。

 

そんな彼だった。

  

この後、

都会に出てミュージシャンしてるとか。

そんな噂を耳にしたな。

 

Amanda


Boston - Amanda (video/audio edited & remastered) HQ

 

 

 これは最近の映像。

 現在も活動されている。

 

 

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さて、

そんな彼らの曲を各自で練習していたある日。

 

ドラマーがスティックを投げ、

黙ってスタジオを出て行ってしまった。

 

 あまりに戻ってこないので、友人が様子を見に外に出た。

 

 

「あんなドラム、オレ叩けねぇよ・・・

・・・悪いけどしばらくほっといてくれ」

 

 

悔しそうな表情に何も言えず

彼を置いてスタジオに戻ってくるしかなかったと言う。

 

「驚かせてしまったよね。ゴメン。あまり気にしないで。

うーん、もうしばらくしたら、オレが話してくるよ。

大丈夫!オレとあいつの仲だから。 心配しないで」

 

 

Nさんにそう言われても

スタジオの中で練習する気分にもならず。

友人と二人であたふたして待っていた。

 

 

半時間以上経っただろうか。

二人が戻ってきた。

 

 

「心配かけてゴメンな。せっかくだし楽しくやろう!」

 

 

社会人と高校生、

練習の時間は貴重だ。

 

残りの数週間、

夜遅くまで練習ばかりの日々だった。